クイズ大会「アルテマ3」

クイズ大会「アルテマ」シリーズの公式サイトです。次回大会「アルテマ3」は2024年6月15日(土)に開催予定です。

クイズ大会「アルテマ」 概要

大会名
アルテマ

主催
西村優樹

 

会場
北葛西コミュニティ会館 ホール
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e034/kuseijoho/gaiyo/shisetsuguide/bunya/bunkachiiki/c_kitakasai/guide.html

定員
200名(拡張しました)

 

開催日
2022年10月9日(日)

時間
10時開場・10時30分開始 / 20時終了予定

参加費
社会人1000円・学生500円

※「学生」は、大会当日時点で教育機関に生徒として在籍している方を指します。要は「社会人でない人」と考えると簡単です。

 

コンセプト
好成績を誇ってもらえるようなクイズ大会

問題傾向
長さ:70字程度 / 難易度:簡単ではないものが多い

触れられるクイズの量
ペーパークイズ80問+ボードクイズ20問
ペーパー順位が104位以上なら早押しクイズ1セット(4○2×相当)、56位以上ならもう1セット(5○2×)に最低でも触れられる

事前エントリー
9月10日(土)22時開始、10月7日(金)23時終了予定

レギュレーション
原則制限なし / 個人戦
(西村が所属するサークルでのリハーサル回に参加した方は、本大会に参加できません)

 

問いあわせ先
ultimat738@gmail.com

Twitter
@UltimaQuiz

 

【旧】「アルテマ」エントリーフォーム / エントリーリスト

ただいまより、本大会のエントリーを開始します。

 

↓↓エントリーはこちらのリンクからお願いします↓↓

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↑↑エントリーはこちらのリンクからお願いします↑↑ 

 

 

エントリー内容の変更や、エントリーのキャンセルについての連絡は、大会メールアドレス(ultimat738[at]gmail.com)にお申し付けください。

 

 

エントリーリストは以下からご覧ください。

(エントリーは自動で更新されますが、エントリーのキャンセルは手動で更新されますのでご了承ください。)

docs.google.com

エントリーについて(※この記事からはエントリーできません)

本大会は、「2022年9月10日(土)22時00分」から「2022年10月7日(金)23時00分」まで、エントリーを受け付けます。

 

エントリーには、

  • 名字と名前、その読みがな
  • エントリーリスト表示名
  • 在住の都道府県
  • メールアドレス
  • 社会人であるか、学生であるか

の記入が必須となります。

 

本大会のエントリーは先着順となります(先着200名)。

 

エントリー開始時刻(9月10日22時)になったら、このブログにエントリーフォームへのリンクを記載した記事が投稿されます。そちらからエントリーに進んでください。

 

参加費は社会人:1000円、学生:500円の予定です。
ここで「学生」とは、「社会人として働いた経験がない人」と定義します。
高校は卒業しているが大学院生、大学は卒業しているが就職浪人中である人などはいずれも「学生」となります。
わからない場合は、大会メールアドレスにご連絡ください。

 

エントリーをキャンセルされる場合も、大会メールアドレスにその旨をご連絡ください。
エントリー枠数には限りがございますので、必ずご連絡いただくよう、よろしくお願いします。

 

大会メールアドレス:ultimat738[at]gmail.com

※メール送信の際は[at]をアットマークに変更してください。

大会クイズルール(旧:アルテマ1版)

以下は「通過者104人版」のルールです。参加者が少なければそれに合わせて調整します。

 

 

1R 80問ペーパークイズ

  • 筆記クイズを80問出題する。制限時間は30分。
  • 判定は「点の高さ→51〜80番の30問の正解数の多さ→近似値クイズの誤差の小ささ」に拠る。
  • 成績1〜8位は2R-Aに、9〜56位は2R-Bに、57〜104位は2R-Cに進出。

 

2R-A NY style | 8→adv3

  • 早押しクイズ。ここに進出した8名は結果にかかわらず3R-Aに進出する。
  • 正解で+1、誤答で-1となる。3回誤答するとその人の解答権を剥奪する。
  • 30問読み切り後、「ポイントの多さ→誤答の少なさ→1R順位の高さ」で順位判定する。
  • 上位3名は3R-Aで1pの初期アドバンテージを得る。

 

2R-B 5○2×風 | (12→4)×4

  • 1R9位〜56位を4組に分けて行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、5p到達で勝ち。2回の誤答で失格。
  • 1Rの順位によって、以下のように組分けする。(最上段は初期アドバンテージの点数を示す)

adv

3p

3p

2p

2p

2p

1p

1p

1p

1p

0p

0p

0p

Set1

9位

16位

17位

24位

25位

32位

33位

40位

41位

48位

49位

56位

Set2

10位

15位

18位

23位

26位

31位

34位

39位

42位

47位

50位

55位

Set3

11位

14位

19位

22位

27位

30位

35位

38位

43位

46位

51位

54位

Set4

12位

13位

20位

21位

28位

29位

36位

37位

44位

45位

52位

53位

  • 各組4名の勝者が決まった時点で終了する。勝者は3R-Aに進出する。
  • 飛び残りが発生した場合、「ポイントの多さ→誤答数の少なさ」によって順位判定する。

 

2R-C 4○2×風 | (12→4)×4

  • このラウンドは別部屋を利用し、2R-Bと同時並行で進める。
  • 1R57位〜104位を4組に分けて行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、4p到達で勝ち。2回の誤答で失格。
  • 1Rの順位によって、以下のように組分けする。(最上段は初期アドバンテージの点数を示す)

adv

2p

1p

1p

1p

1p

1p

0p

0p

0p

0p

0p

0p

Set1

57位

64位

65位

72位

73位

80位

81位

88位

89位

96位

97位

104位

Set2

58位

63位

66位

71位

74位

79位

82位

87位

90位

95位

98位

103位

Set3

59位

62位

67位

70位

75位

78位

83位

86位

91位

94位

99位

102位

Set4

60位

61位

68位

69位

76位

77位

84位

85位

92位

93位

100位

101位

  • 各組4名の勝者が決まった時点で終了する。勝者は3R-Bに進出する。
  • 飛び残りが発生した場合、「ポイントの多さ→誤答数の少なさ」によって順位判定する。

 

3R-A 7○3× | (6→2)×4

  • 2R-A進出者8名と2R-B勝者16名を4組(各組定員6名)に分けて行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、7p到達で勝ち。3回の誤答で失格。
  • 優先順上位から参加する組を選択する。
    • (優先順)2R-Aの成績上位→2R-Bの勝利順→1Rの成績上位
  • 各組2名の勝者が決まった時点で終了する。勝者はSF進出が確定する。

 

3R-B 5○2× | (12→3)×4

  • このラウンドは別部屋を利用し、3R-Aと同時並行で進める。
  • 2R-B敗者32名と2R-C勝者16名を4組に分けて行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、5p到達で勝ち。2回の誤答で失格。
  • 組み分けは参加者内での1R筆記順位に従って以下のように行う。

Set1

1位

8位

9位

16位

17位

24位

25位

32位

33位

40位

41位

48位

Set2

2位

7位

10位

15位

18位

23位

26位

31位

34位

39位

42位

47位

Set3

3位

6位

11位

14位

19位

22位

27位

30位

35位

38位

43位

46位

Set4

4位

5位

12位

13位

20位

21位

28位

29位

36位

37位

44位

45位

  • 各組3名の勝者が決まるか、50問を消費した時点で終了する。
  • 50問消費時の判定は「正解数の多さ→誤答数の少なさ→1R順位の高さ」に拠る。

 

4R 20問ボードクイズ | 8→adv3 / L→12

  • 全員に対して20問のボードクイズを出題。一部ビジュアルクイズなどを含む。
  • 正解は+2p。
  • 16〜20問目は誤答すると-1p。無解答なら-0p。
  • SF進出決定者8名は、壇上で解答する。このラウンドの点数で8名のうち3位以上になるとSFで1pの初期アドバンテージを得る。同点時は1R上位を優先。
  • SF進出未決定者は、客席で解答する。ここまでの戦績に応じて以下の初期点を持ち、ラウンド終了時点で「ポイントの多さ→1Rの成績上位」の判定上位12名が5Rに進出する。
    • 3R-Aに進出した(16名):+4p
    • 3R-Bで勝利した(12名):+3p

 

5R 7○3×風 | 12→2

  • 5R進出者12名で行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、7p到達で勝ち。
  • 誤答すると以降8問休み。また、3回目の誤答で失格。
  • 4Rの成績1位には3p、2・3位には2p、4・5・6位には1pの初期アドバンテージを与える。
  • 2名の勝者が決まった時点で終了する。勝者はSFに進出する。

 

SF 10○4× | 10→4

  • SF進出者10名で行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、10p到達で勝ち。4回の誤答で失格。
  • 4名の勝者が決まった時点で終了する。勝者はFに進出する。

 

F 12○6× | 4→1

  • F進出者4名で行う早押しクイズ。
  • 正解で+1pとなり、12p到達で優勝。6回の誤答で失格。

 

早押しルール・正誤判定基準

本大会に適用する予定の早押しルールと正誤判定基準を紹介します。

一般的なクイズ大会で採用されているものとは少しだけ異なるので、ご確認ください。

 

#早押し共通ルール
  • スルーカウントは3、ボタンが押下されてからのシンキングカウントは5。
    • 1カウントの長さはおよそ1秒。

    • シンキングタイム中、解答とみなせる発声が始まったのを聞いて、カウントを遅めたり止めたりすることがある。

    • 例えば、シンキングタイムが残り1になって答えが思いついた場合、解答を言い始めたタイミングでカウントを止めるので、残り1カウントで全て言い切ろうとして解答を急ぐ必要はない。
  • ボタンを押下した時/解答を発声した時にブザーが鳴った場合、それは「ブザーと同時に行われたもの」とみなされ、原則として無効と扱われる。

 

#正誤判定基準について
  • 原則1:解答は「似たような事物と弁別できる形」でなされなければならない。
    • 西洋人名は基本的にラストネームのみの解答で正解とみなすが、例えば「ルーズベルト」という解答は「フランクリン・ルーズベルト」と「セオドア・ルーズベルト」のどちらの意味で答えたかが不明瞭なので、フルネームでの再解答を要求する。

    • 例外的に、以下の人名についてはそれぞれの解答方法を認める。これは、彼らにとって最もよく知られている形がそのようであり、その弁別が自然であるからと考えてものである。

      • 日本のお笑い芸人:「ユニット名+名字」

      • 日本の野球人:「チーム名+名字」

      • 創作物(小説、漫画、ドラマなど)の登場人物:「名字・名前のどちらか一方のみ」

  • 原則2:「ボタンを押した」ということはすなわち、「その事物について知っている」だけでなく、「そのクイズの題意を読み切った」と表明したと受け取る。

    • 「答えとなる事物について十分な理解がみられる場合であっても、答える対象を著しく間違えている解答」は原則として誤答扱いにする。[*例1]

    • 「〜とは、Aと何でしょう?(正解はB)」という形のクイズでは、以下のように対応する。

      • 「B」または「AとB」と答えた場合:正解となる。

      • 「A」または「BとA」と答えた場合:誤答となる。

      • 「A……とB」のように引き伸ばした解答は、した時点で誤答扱いにする。

      • 「Aと……B」のように引き伸ばした解答は、制限時間内に解答し終えた場合は「AとB」と解答したものとして判定し、間に合わなければ誤答とする。

    • 「〜とは、何と何でしょう?(正解はAとB)」という形のクイズでは、以下のように対応する。

      • 「AとB」または「BとA」と答えた場合:正解となる。

      • 「A」または「B」と答えた場合:「もう一つ答えてください」とアナウンスされたあと、もう片方を答えることができる。

    • 答える要素を2つ含めた解答に対しては、「問題文の問いかけに対して自然な応答であれば正解、そうでなければ再解答/誤答」とする。[*例2]
      • 「A……のB」のように引き伸ばして2要素を含めた解答は、した時点で誤答扱いにする。
  • 惜しい解答に対しては「惜しいので別のことを答えてください」というようなアナウンスをして、再度解答を求める場合がある。この時、解答者は先の発声と別のことを言っても構わない。

 

 

*正誤判定サンプル

(1) 「答える対象を捉える」ことについて

(1.1) 公的年金の仕組みを2階建て構造に喩えたとき、2階部分に相当するのは国民年金・厚生年金のどちら?

正解となる解答例:厚生年金、厚生のほう

再解答となる解答例:後者(「具体的に」とアナウンスする)、2つめ(同)、国民年金は1階(「整理して答え直して」とアナウンスする)、厚生年金は2階(同)、国民年金が1階で厚生年金が2階(同)

 

(1.2) 『緋色の研究』の中の有名なエピソードで、「ワトソンはアフガニスタンに行ってきた」ことをホームズが見抜くきっかけになった行為は何?

正解となる解答例:握手、手をみる/触る

誤答となる解答例:アフガニスタン、軍医、手……を触る

再解答となる解答例:手(「もっと詳しく」とアナウンスする)

 

 

 

(2) 題意として求められていないが2要素を含めた解答について

(2.1) 昨年の冬を前に発表された曲。「アルデバラン」を歌ったのはAIですが、「ベテルギウス」を歌ったのは誰?

正解となる解答例:優里(ゆうり)

誤答となる解答例:ベテルギウス、優里のベテルギウス、優里……のベテルギウス

 

(2.2) 昨年の冬を前に発表された、星の名前がタイトルの曲。AIが歌ったのは「アルデバラン」ですが、優里が歌った曲は何?

正解となる解答例:ベテルギウス

誤答となる解答例:優里、優里……のベテルギウス

再解答となる解答例:優里のベテルギウス(「整理して答え直して」とアナウンスする)

 

 

こんな感じです。

以降、大会中のクイズに関する記事は出さない予定なので、質問などがあれば以下のフォームにお願いします。企画書は9月くらいに出すつもりです。

forms.gle

例題紹介

ここでは、2021年に西村が出版した問題集『7-3 #1-10』『7-3 #11-20』から20問を抜粋しながら、本大会にも継承している出題思想などを紹介します。一応、抜粋元の問題番号も振っておきますが、あんまり意味はない気がします。

 

72.
オディロン・ルドンの絵画《眼=気球》で、気球の眼は上下左右のどちらを視ている?【上】

ある絵画について知っているかを問いたいとき、その絵自体を説明しようとするよりも、絵画の構成要素をうまく取り出すほうがよい場合があると思っていて、この問い方はその中の一つのアイデアです。

このような意欲作っぽい出題もしますが、それ自体が目的ではないです。

 

107.
毎週土曜には別冊版「be」が折り込まれ、ライフカルチャーコラムの「好書好日」や朝刊コラム「天声人語」も人気……といえば、この全国紙は何?【朝日新聞

「クイズに使いたい情報を選んでから、素材が活きるように問題文を書く」という作問スタイルなので、構文自体が変則的になる場合があります。

 

118.
漫画『ブルーピリオド』の第1話で、主人公の矢口八虎が選択美術の授業で描いた「青いもの」は何?【早朝の渋谷】

クイズプレー中には多くを補足説明できないハイコンテクストなクイズも出ます。このクイズについても詳細は省略。

 

140.
次の問題は「数字で選ぶ3択」です。①、②、③のいずれかでお答えください。味噌汁を作るとき、味噌を入れるタイミングとして正しいのは次のうちどれ?
①水を沸かす前 ②具を入れる直前 ③完成直前【③完成直前】

このような特殊な前置きのある問題も出ます。何が起こるかは毎回説明されるので安心してください。

 

154.
周期表ではウランの左隣に配されている、α崩壊によってアクチニウムに転じることから名がついた放射性元素は何?【プロトアクチニウム

元素の問題なのに元素記号原子番号も出てこない、というようなこともあります。

1対1対応で答えられたくなくて敢えて外していることもありますが、「(クイズの出題歴の文脈で)答えのワードを引き出しやすい情報よりも、盛り込んだほうがよい情報がある」と考えた場合に、結果として外れるという場合がほとんどです。

 

158.
1989年から2001年までは横浜、2002年から2015年までは中日でプレーし、累計3000を超える試合に出場した、日本の名捕手は誰?【谷繁元信

記号的な情報を並べるだけの問題を作る場合でも、知っている人にとって有利なものをなるべく採択するように心掛けていることが多いです。作問が下手でよくわかんないのが並んでる場合もあります。

 

191.
いろは歌における「と」の位置から今の呼び名がついたとされる、古くは「トウリ」、さらに古くは「イトウリ」と呼ばれた植物は何?【ヘチマ】

こういう問題がお気に入りです。雑学的な情報を組み入れつつ、早く押せるポイントを複数作れたところに愛着があります。

 

243.
「田舎にあるような小さな宿泊施設」という意味の、iから始まる3文字の英単語は何?【inn】

英語に関するクイズはやや多めになると思います。多くする理由は「身近に溢れてるしもっとたくさん出るべき」と思ってるから、ってだけです。

 

257.
縦真っ二つに割ったあとは、種に包丁の内側の角を刺して抉るようにすれば簡単に種が取れる、刺身にしても美味しい果実は何?【アボカド】

クイズは身体知の情報を扱うことが苦手と思っていますが、無理のない範囲でそこにも切り込めたらと考えています。

 

300.
川端康成の『雪国』の冒頭では「ここが白くなった」、芥川龍之介の『羅生門』の結末では主人公が「ここへかけ下りた」と語られるのはどこ?【夜の底】

後者は「夜の底」という表現の初出ともされていて、前者はそれに影響を受けたものという説もあるそうです。……というような裏テーマが張られていることもあります。もし裏テーマがあっても、説明なしで問題の意味が通る場合、フォローなどでも補足しないことが多いと思います。

 

359.
南アルプス・奥大山・阿蘇から採れた水がボトリングされている、企業理念の「水と生きる」を体現したミネラルウォーターブランドは何?【サントリー天然水

これは「サントリー」という企業名を隠しながら(そのヒントを置きながら)「サントリー天然水」という固有名詞を問う形になっているせいで、クイズに慣れている人でないと文をうまく咀嚼できないタイプの問題だと思います。このような「処理・整理すべき情報の多い問題」も(高度すぎないと判断した範囲内で)出る予定です。

これは特段そういう能力を解答者に求めているわけではなく、「こういうタイプのクイズもちょっとくらいあったほうが面白い気がする」という単なる好みです。(意識的に「自分があまり作らないようなクイズ」を混ぜ込んだほうが公平性を担保できるだろう、というねらいもあります。)

 

434.
今から読み上げる英文を日本語訳してください。
"A whale is no more a fish than a horse is.”【「クジラは馬と同様に、魚ではない」】

この問題には「大意が合っていれば正解とします」のような前置きがありませんが、「特別な断りを入れなくても、質問文として題意が伝わる」と判断した場合は、何も言わずそのまま出す場合があります。この他だと、理由を問うクイズにも前置きがなかったりします(問題文の末尾の「なぜ?」まで読めば、想定解と一言一句違わぬ解答が要求されていないことは明白だから)。

すなわち、問題の前置きは「問題文の意味をわかりやすくするために補うもの」であり、「解答者が問題文の先読みをしやすくするためのディスコースマーカーとしての役割は必ずしも持たせなくてよい」というのが私の基本的な考えです。

 

463.
具体的な時期は1910年代前半。ときに絵の具に石灰や卵の殻を混ぜながら独特の色彩を生んでいた、画家モーリス・ユトリロの全盛期を何という?【白の時代】

文を2つに分けた問題も出題されます。無理に一文に収めるよりも、一度区切ったほうが日本語として自然になると考えた場合に分割します。

また、いわゆる「ですが問題」は、一般的には「〜で、AはXですが、Bは何?」という構文をとることが多いと思いますが、本大会では「〜。AはXですが、Bは何?」と一度区切る場合が多いです(「で」を使った接続が日本語として不自然な場合など)。

 

522.
ギリシャ語で「心が分裂する病」という意味の言葉に由来する、精神科医オイゲン・ブロイラーが造語し、日本語には「統合失調症」と訳された英語は何?【schizophrenia(シゾフレニア/スキゾフレニア)】

オイゲン・ブロイラーという人名は「アンビバレンス」の造語者としての出題歴が深く、そのように誤答されるリスクも高いですが、「答えとなる事物にとっての重要度」を勘案した結果、入れるほうが望ましいと判断すれば特に配慮なく組み入れます。

といっても、よくある人名フリからよくある答えを引き出すようなクイズもたくさん出します。つまり、「これまでの他のクイズ大会での出題歴とは無関係に、私が必要だと思った情報を使って問題文が組み立てられる」と考えてください。

 

542.
TBSの木曜21時枠で、平成2年から平成23年にわたってシリーズ放送された、泉ピン子えなりかずきの出演で有名な橋田壽賀子のドラマは何?【『渡る世間は鬼ばかり』】

「毎週欠かさず観ていた」という人にはかなり残念がられそうな情報の選び方ですが、このクイズは「ちゃんと観てはいなかったけど、放送されていたことくらいは知っている」というライトな層に解いてもらうことを想定して作ったものです。このように、ターゲッティングは必ずしも「真の有識者」であるとは限りません。

 

559.
ある日、夕焼けが綺麗に見えたとき、次の日は晴れ・雨のどちらになりやすい?【晴れ】

択一クイズであることが最後に明らかになる問題も多く出ます。

このとき、例えば早い段階で押されて「明日は天気が良い」などと解答された場合、「質問文としては2択を提示しているが、この解答は"晴れ"と答えたのと同義とみなせる」と判断して正解にする場合があります。つまり、「クイズの問題文を質問と捉えたとき、それに対する答えとして意味が通っている」場合は原則として正解扱いとします。

 

584.
キューバ危機の翌年にアメリカ・ソ連・イギリス間で締結された、大気圏内・宇宙空間・水中での核実験を禁止した条約は何?【PTBT(部分的核実験禁止条約)】

解答方法が複数ある問題はどの形で答えても正解とします。別解精査が甘かったらすみません(本番までの準備で善処します)。

 

586.
重さは100円玉に近い約5g。英語で「往復する」という意味の言葉から名がついた、バドミントンに使う球を何という?【シャトル

正式には「シャトルコック」といいますが、模範解答としては一般的な通名のみを示す場合があります。もちろんシャトルコックと言っても正解にする(裏で別解を準備している)ので、べつに気にしなくていいです。

 

595.
見た目がブタクサとよく似ている、都会でも空き地などに群生し、高さ2mにまで育つことで知られる雑草は何?【セイタカアワダチソウ

上記のクイズに含まれる要素(ブタクサ似・都会でも群生・高さ2m・雑草)を満たす植物が他にないとは言い切れませんが、「厳密性を欠くが、"十分に"題意を伝えられる」と考えた場合、絶対に答えが一つに決まるようには情報を入れないことがあるかもしれません。とはいえ、基本的に解答は一意に定まるように問題文を工夫する予定です。

 

665.
身体は樽、顔はザクロ、ナシ、リンゴ、キノコなどで表現されている、アルチンボルドの絵画連作「四季」の一作は何?【《秋》】

このクイズはかなりディープな部分を問うており、「ここで初めてアルチンボルドを知った」というような人には、答えを聞いてもこれがどのような題意だったのか分からずじまいになってしまうおそれがありますが、「解答者の一定数は題意を解すことができ、また事物(ここではアルチンボルド「四季」)にとってもある程度意義のあることを扱っている」と判断した場合、そのような不幸な人が出てしまうことを厭わずに出題する場合があります。ご承知おきください。

 

 

以上で例題の紹介は終わりです。

「説明がむずくて意味わかんなかった」という人もいると思いますが、それはそれで全く構いません。

シンプルに、問題をみて、まあまあ面白そうだな〜と思ったら、よければご参加ください。お待ちしております。

出題者紹介

出題者紹介とは言うものの、本大会で使用するクイズは全て西村優樹が作成したものです。すなわちこの記事は私(西村)について紹介するものになります。ご承知おきください。

参加するかを検討する材料として、いくぶんか有意義な自分語りをしていこうと思います。ではよろしくお願いします。

 

 

まず簡単に、私のこれまでのクイズとの歩みを紹介します。

迄 幼い頃からものを覚える行為は好きだった。円周率100桁覚えたりとか。
2012年4月 洛南高校に入学、知の甲子園に憧れてクイズ研究会に入る。
2015年4月 大阪大学経済学部に入学、OUQSに入会。
2019年3月 abc17で準優勝。(キャリアハイ)
2020年4月 就職に合わせて上京。西東京のコミュニティ(Qwest)をメインにクイズを続ける。
至 現在

そのほかの目立った戦績で言うとABC7で準決勝進出、AllComers2022で筆記1位あたりが華々しいですが、この辺りはあまり本大会にとって重要ではないです。「戦績・歩みとしてabcしか並べない人間」「大学卒業後も、そこそこしっかりクイズをし続けている人間」というようなことは参考になるかもしれません。

 

自分の目標:クイズによってうっすらと博識な人間になる

これは大会とは独立した、個人の人生的な目標に近いものです。が、この指針が問題群に与える影響は小さくないと思うので簡単に紹介します。

クイズが扱える知識は、生活に根ざしたものから本当にトリビアルなものまでさまざまです。中でも私はクイズを作ったり解いたりすることを通して、「生活の何らかに関連しやすいトピック」を積極的に吸収し、どんな初対面の人とでも何かの話で意気投合できるような人間になることを目標としています。そのため、本大会に出題されるクイズは、いわゆる「クイズのためのクイズ」というよりは、何かを知るきっかけとしてのクイズを志向したものが多くなると思います。

具体的には、「その事物を知っている人とトークする機会を想定したとき、どんな情報を知っていればより話が弾むか」を一度考えてから問題文を書くことが多いです。過去の例だと、

原作では「ねえ、渡辺くん。これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」、映画版では「なーんてね」と主人公が話して終わる小説は何?(湊かなえ『告白』)

というような出題をする場合があります。本屋大賞の受賞作であることやストーリーについての説明、作者名さえも思い切って省略し、最も鮮烈な一節を切り取ることで「あのシーンが印象的だったよね」と語らえる人が正解できる問題を志向しています。
もちろん、全てがこのような意欲作というわけではなく、シンプルな出題をしたり、比較的トリビアルな情報を盛り込んだ問題文を書くこともあります。

 

傾向:「受動的な知識」をより好む

ここでいう「受動的(↔︎能動的)」というのは、クイズとは特に関係なく、他者とのコミュニケーションにおいて、「自分が用意しておくことで、他者の話をより面白く・興味深く聞くことができる(↔︎知っていると開示することで、他者に驚きや感動を与えることができる)」という性質のことと考えてください。

対称的な位置にあるのは山上大喜さんによる「いろは」シリーズで、特に第二回は能動的な知識を知るきっかけになるクイズが多く並んでいたことと思います。もちろん、「いろは」は本大会とは独立なもので、また一つの良きクイズ、ならびに大会であります。(急に名前出してすみません)

本大会にも能動的な知識を扱ったクイズは少なからず出ますが、どちらかといえば私は受動的がちという「傾向」がある、ということで理解していただけるとよいと思います。

 

信条1:クイズの問題文は、クイズである前に「日本語の文」である

クイズの問題文を書くのはもちろん、ただ「文章を書く」というだけで、無意識に日本語のミスは生まれてしまうものです。この記事にもおそらく、私の気づけなかったたくさんの日本語的・文法的な瑕疵があるでしょう。そして、「クイズの問題文を書く」のは、単に文章を書くことよりも数段難しいことです。そんな中でも、「日本語が正しくない」ということはあってはならないことですし、私は「自分に可能な限り正しい日本語を使用したい」と思っています。

また、クイズの問題文は「それ単独で読んで意味のわかる日本語の文」であるのが本来の状態なので、「早押しクイズの問題文である」という特殊な状況に依存しなければ意味を解せないような文は書かないように注意します。

逆に、「日本語として自然であり、題材をクイズの形に仕立てる上で最適な文であると判断すれば、クイズの文としてあまり聞き馴染みのない表現も使う」ということもあります。詳しくは例題(後日掲載予定)をご覧ください。

 

信条2:クイズの問題文を構成する情報は、全て正しいものでなければならない

先の項目と同様、ほとんど大前提としてあるようなことではありますが、これもまた、難しいことです。

本大会では、以下のステップを踏んで、使用するクイズに事実誤認がないように注意しています。

  1. ある程度の信頼をおけるソース(辞書、公式サイト など)から問題文に使う情報を拾う。
  2. 拾い上げた情報を、信頼に足る他のソースを使ってチェックする。
  3. 保証できた正しさを失わないように、情報を問題文の形に成形する。

このステップを踏んだ上で、クイズが無味乾燥なものにならないように注意しています。「正しいこと」と「面白いこと」。この両立を目指して問題を準備中です。

 

扱うのが得意なジャンル:芸術、歴史、文学、ことばのルーツ
扱うのが苦手なジャンル:スポーツ、政治、ファッション

得意/苦手ジャンルについて、私には上記のような傾向があります。「扱う」という切り口を使っているのは、私が「プレイヤーとして武器・強みとしているジャンル」と、「作問の上で作りやすいジャンル」は必ずしも一致しないからです。具体的に「扱うのが得意」かどうかは、「私がクイズを作るとき、あるトピックを調べて、材料となる情報を揃え、それらを上手に配置することができるのか」、そして「それがどの程度自分の中でうまくいきやすいか」を考えて選びました。結果として、得意なジャンルには「調べやすく、意義を検討しやすい」、苦手なジャンルには「自分自身の興味からも少し遠く、勘所を押さえにくい」、と感じているものが並んでいます。

また、同じジャンル内でも得手不得手が分かれる場合があります。例えば科学ジャンルだと、実用面からアプローチする問題文を作るのは得意ですが、一般則を平易に語る問題文を書くのは苦手です。スポーツを苦手なジャンルに挙げましたが、苦手なのは今注目のアスリートを見つけたり、そのアスリートの活躍ぶりを切り取ってクイズに落とし込んだりすることで、ルールや競技性について問うクイズを作るのはむしろ得意です。そのために発生する問題群の歪みが目立つ可能性は少なからずあります。

他の参考情報としては、私は国算理社の4教科を使う中学入試を経験していて、高校では社会分野で地理と倫理政治経済、理科分野で化学基礎と地学基礎を選択し、大学ではミクロ経済学をメインに学んでいました。この近辺のジャンルは他と比して解像度が高くなりすぎてしまうかもしれません。

 

趣味・趣向:文化的にみえて、かっこいいと思うものを好んで吸収している

自分には、悪く言えば「かっこつけたがる」というきらいがある自覚しています。それゆえに「知ってたらかっこいいなと思うもの」に関するクイズがより多く出されることになります。この「かっこいいと思うもの」の中には、文化人的な教養を感じる、多趣味・博識感がある、見た目が良い、言葉が文字列として綺麗……など、さまざまなものが含まれます。

 

 

大まかな説明は以上になります。

「抽象的すぎてよくわからなかった」という部分もあると思うので、よろしければ後日公開される「例題紹介」の記事も参照してみてください。