クイズ大会「アルテマ3」

クイズ大会「アルテマ」シリーズの公式サイトです。次回大会「アルテマ3」は2024年6月15日(土)に開催予定です。

出題者紹介

出題者紹介とは言うものの、本大会で使用するクイズは全て西村優樹が作成したものです。すなわちこの記事は私(西村)について紹介するものになります。ご承知おきください。

参加するかを検討する材料として、いくぶんか有意義な自分語りをしていこうと思います。ではよろしくお願いします。

 

 

まず簡単に、私のこれまでのクイズとの歩みを紹介します。

迄 幼い頃からものを覚える行為は好きだった。円周率100桁覚えたりとか。
2012年4月 洛南高校に入学、知の甲子園に憧れてクイズ研究会に入る。
2015年4月 大阪大学経済学部に入学、OUQSに入会。
2019年3月 abc17で準優勝。(キャリアハイ)
2020年4月 就職に合わせて上京。西東京のコミュニティ(Qwest)をメインにクイズを続ける。
至 現在

そのほかの目立った戦績で言うとABC7で準決勝進出、AllComers2022で筆記1位あたりが華々しいですが、この辺りはあまり本大会にとって重要ではないです。「戦績・歩みとしてabcしか並べない人間」「大学卒業後も、そこそこしっかりクイズをし続けている人間」というようなことは参考になるかもしれません。

 

自分の目標:クイズによってうっすらと博識な人間になる

これは大会とは独立した、個人の人生的な目標に近いものです。が、この指針が問題群に与える影響は小さくないと思うので簡単に紹介します。

クイズが扱える知識は、生活に根ざしたものから本当にトリビアルなものまでさまざまです。中でも私はクイズを作ったり解いたりすることを通して、「生活の何らかに関連しやすいトピック」を積極的に吸収し、どんな初対面の人とでも何かの話で意気投合できるような人間になることを目標としています。そのため、本大会に出題されるクイズは、いわゆる「クイズのためのクイズ」というよりは、何かを知るきっかけとしてのクイズを志向したものが多くなると思います。

具体的には、「その事物を知っている人とトークする機会を想定したとき、どんな情報を知っていればより話が弾むか」を一度考えてから問題文を書くことが多いです。過去の例だと、

原作では「ねえ、渡辺くん。これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」、映画版では「なーんてね」と主人公が話して終わる小説は何?(湊かなえ『告白』)

というような出題をする場合があります。本屋大賞の受賞作であることやストーリーについての説明、作者名さえも思い切って省略し、最も鮮烈な一節を切り取ることで「あのシーンが印象的だったよね」と語らえる人が正解できる問題を志向しています。
もちろん、全てがこのような意欲作というわけではなく、シンプルな出題をしたり、比較的トリビアルな情報を盛り込んだ問題文を書くこともあります。

 

傾向:「受動的な知識」をより好む

ここでいう「受動的(↔︎能動的)」というのは、クイズとは特に関係なく、他者とのコミュニケーションにおいて、「自分が用意しておくことで、他者の話をより面白く・興味深く聞くことができる(↔︎知っていると開示することで、他者に驚きや感動を与えることができる)」という性質のことと考えてください。

対称的な位置にあるのは山上大喜さんによる「いろは」シリーズで、特に第二回は能動的な知識を知るきっかけになるクイズが多く並んでいたことと思います。もちろん、「いろは」は本大会とは独立なもので、また一つの良きクイズ、ならびに大会であります。(急に名前出してすみません)

本大会にも能動的な知識を扱ったクイズは少なからず出ますが、どちらかといえば私は受動的がちという「傾向」がある、ということで理解していただけるとよいと思います。

 

信条1:クイズの問題文は、クイズである前に「日本語の文」である

クイズの問題文を書くのはもちろん、ただ「文章を書く」というだけで、無意識に日本語のミスは生まれてしまうものです。この記事にもおそらく、私の気づけなかったたくさんの日本語的・文法的な瑕疵があるでしょう。そして、「クイズの問題文を書く」のは、単に文章を書くことよりも数段難しいことです。そんな中でも、「日本語が正しくない」ということはあってはならないことですし、私は「自分に可能な限り正しい日本語を使用したい」と思っています。

また、クイズの問題文は「それ単独で読んで意味のわかる日本語の文」であるのが本来の状態なので、「早押しクイズの問題文である」という特殊な状況に依存しなければ意味を解せないような文は書かないように注意します。

逆に、「日本語として自然であり、題材をクイズの形に仕立てる上で最適な文であると判断すれば、クイズの文としてあまり聞き馴染みのない表現も使う」ということもあります。詳しくは例題(後日掲載予定)をご覧ください。

 

信条2:クイズの問題文を構成する情報は、全て正しいものでなければならない

先の項目と同様、ほとんど大前提としてあるようなことではありますが、これもまた、難しいことです。

本大会では、以下のステップを踏んで、使用するクイズに事実誤認がないように注意しています。

  1. ある程度の信頼をおけるソース(辞書、公式サイト など)から問題文に使う情報を拾う。
  2. 拾い上げた情報を、信頼に足る他のソースを使ってチェックする。
  3. 保証できた正しさを失わないように、情報を問題文の形に成形する。

このステップを踏んだ上で、クイズが無味乾燥なものにならないように注意しています。「正しいこと」と「面白いこと」。この両立を目指して問題を準備中です。

 

扱うのが得意なジャンル:芸術、歴史、文学、ことばのルーツ
扱うのが苦手なジャンル:スポーツ、政治、ファッション

得意/苦手ジャンルについて、私には上記のような傾向があります。「扱う」という切り口を使っているのは、私が「プレイヤーとして武器・強みとしているジャンル」と、「作問の上で作りやすいジャンル」は必ずしも一致しないからです。具体的に「扱うのが得意」かどうかは、「私がクイズを作るとき、あるトピックを調べて、材料となる情報を揃え、それらを上手に配置することができるのか」、そして「それがどの程度自分の中でうまくいきやすいか」を考えて選びました。結果として、得意なジャンルには「調べやすく、意義を検討しやすい」、苦手なジャンルには「自分自身の興味からも少し遠く、勘所を押さえにくい」、と感じているものが並んでいます。

また、同じジャンル内でも得手不得手が分かれる場合があります。例えば科学ジャンルだと、実用面からアプローチする問題文を作るのは得意ですが、一般則を平易に語る問題文を書くのは苦手です。スポーツを苦手なジャンルに挙げましたが、苦手なのは今注目のアスリートを見つけたり、そのアスリートの活躍ぶりを切り取ってクイズに落とし込んだりすることで、ルールや競技性について問うクイズを作るのはむしろ得意です。そのために発生する問題群の歪みが目立つ可能性は少なからずあります。

他の参考情報としては、私は国算理社の4教科を使う中学入試を経験していて、高校では社会分野で地理と倫理政治経済、理科分野で化学基礎と地学基礎を選択し、大学ではミクロ経済学をメインに学んでいました。この近辺のジャンルは他と比して解像度が高くなりすぎてしまうかもしれません。

 

趣味・趣向:文化的にみえて、かっこいいと思うものを好んで吸収している

自分には、悪く言えば「かっこつけたがる」というきらいがある自覚しています。それゆえに「知ってたらかっこいいなと思うもの」に関するクイズがより多く出されることになります。この「かっこいいと思うもの」の中には、文化人的な教養を感じる、多趣味・博識感がある、見た目が良い、言葉が文字列として綺麗……など、さまざまなものが含まれます。

 

 

大まかな説明は以上になります。

「抽象的すぎてよくわからなかった」という部分もあると思うので、よろしければ後日公開される「例題紹介」の記事も参照してみてください。